表銀座縦走① 中房から燕山荘まで
表銀座縦走② 燕山荘から大天井岳まで
のつづきです。
朝焼けの槍ヶ岳
朝4時半前、小屋の窓はすっかり明るくなっている。しかし、誰も起きだす気配はない。
日の出の予定時間ギリギリに起き出して、準備をする。門田さん、藤岡さんも準備をしていた。急がないと間に合わないと思ったけど、まずはトイレへ。外にでると、すでに太陽が半分くらい顔を出していた。
ちょっと残念と思いながらも、陽の光を浴びて、温度の上昇を感じる。厚着をして出て行ったが、寒さでなく暑さを感じた。
今日も暑くなりそう。
部屋に戻ると5時、朝食の時間。
食堂には日がたっぷり入ってきていて、とても眩しい。陽の光に湯気が踊ってとても美味しそう。
野菜もシャキシャキ美味しく、オレンジジュースがありがたい。ご飯をおかわりして今日の長い行動時間に備えた。
玉木さんは2時から寝られなかったらしい。写真で確認すると赤ら顔で日焼けがひどい。風邪の状態もイマイチとのこと。
「頑張る」の言葉通り、頑張ってもらうしかない。
大天荘、出発前の記念撮影。
藤岡さんは高所恐怖症なので、ここからヘルメット装着。恐怖心を和らげてくれるはず。
玉木さん(右から2番目)が小さく見える。この時もっと体調を聞いておけば良かったかも。
それにしても顔が赤い。
大天荘のメニュー
今日の目的地の槍ヶ岳と、歩く予定の東鎌尾根が見える。
青と白と緑のコントラストがとても眩しい。こんな時に歩けて、とても運がいい。ちょっと暑いけど。
こんな最高の景色の中、藤岡さんと玉木さんはとても景色を楽しむ余裕がなさそう。
大天荘から大天井ヒュッテまで行くのに、コースタイムの約2倍の時間がかかってしまった。藤岡さんは崖地の下りで、膝の痛みと、恐怖感で歩みが遅くなる。玉木さんは前日と比べると明らかに口数が減っていた。
遠くに富士山が見える。
元気な玉木さんなら、喜んで写真をとるはずだが、まったくその様子がない。
「大丈夫ですか?」と聞く、「大丈夫ですよ」の返事。何度も繰り返す。
どうしたら調子が上がるかな、と考えながら足を運ぶ。後ろを歩く藤岡さんと玉木さんを見て、玉木さんが帽子をかぶっていないことに気づいた。
そういえば、ザックに荷物が入らないから帽子を置いてきたと言っていたことを思い出した。
この炎天下の中、帽子がないのはかなりの危険行為。藤岡さんはヘルメットを被っていたので、幸い帽子が余っていた。タオルなどを巻いてもいいけど、藤岡さんに帽子を借りることにした。
今日の目的地は、槍ヶ岳だが、玉木さんと藤岡さんのペースでは、16時にヒュッテ大槍に到着できるかどうか。
途中、この先どうするかを話し合った。ヒュッテ西岳に2人は1泊、最終日に水俣乗越の分岐で合流の案が一番いいとなったが、水俣乗越がエスケープルートで通常の登山道でないところが、心配となった。
このまま先に進めるより、大天井ヒュッテに引き返し、燕山荘から中房へ戻る案もでたが、玉木さんと藤岡さんが大きく反対して、最終的にヒュッテ西岳で2人は泊まり、翌日水俣乗越の分岐で合流することになった。
ヒュッテ西岳に到着し、小屋の人に水俣乗越の状況を聞く、雪が残っているところもあるはずだが、詳しくはわからない様子。人があまり入らないので、熊にも注意したほうがいいらしい。
心配だが、ここまで来てはもう引き返せない。
ヒュッテ西岳から、水俣乗越の分岐までの登山道を二人だけで来てもらうのも心配だが、頑張ってもらうしかない。
翌日の再会を誓いつつ、記念に写真をパチリ。
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