今日、お昼に近所を歩いていると、
少し離れた所から、
「すいませーん」
と、おばさんが声を掛けてきた。
困った顔をしていたので、道を聞きたいのかな?
って思ったけど、こちらに近寄ってこないので、
おかしいな、と思いそのまま帰ろうかなと思ったけど、
本当に困った顔をしていたので、
近くに行ってみた。
すると、おばさんは家の鍵を落としたとのこと、
目が悪くて一緒に探して欲しいのかなと思い、
「どこに落としたのですか」
と聞くと、
なんと、側溝の中に落としたらしい。
側溝には蓋がしてあり、目地には細かい砂利が詰まって、簡単には開きそうにない。
困った、、、
試しに手を掛けてフタを持ち上げようとするもびくともしない。
おばさんと一緒に困った顔になってしまった。
でも、もう放っておくことは出来ないので、
どこかに電話しようとするけど、
どこに電話すればいいか思いつかない。
近くにほかに頼れそうな人はいない。
とすると、
僕が蓋を持ち上げて、おばさんの家のカギを救出するしかない。
自宅にもどり、バールの変わりになるようなものを探すと、車のタイヤ用のレンチがあった。
とにかく、開けてカギを救出しないと、
僕も帰れない。
蓋の隙間からカギが確認できたので、
近くの蓋から順番に開けようと試みる。
なんとか、2個目の蓋がかすかに動いた。
おばさんのカギを取り出して帰りたい気持ちと、
僕のカギを取り出して帰りたい気持ちがひとつになり
少しずつ蓋が開いていく。
車通りの結構多い路肩で、
(邪魔だなー)という目線をうけつつ。
ついに蓋がはずれた。
やったー!
見詰め合う僕とおばさん。
まだ、蓋が外れただけで、カギが取れたわけではない。
さらにカギは、蓋一個分向こうにある。
お互いの心の中。
僕(さあ、蓋は外れましたよ。後は手を伸ばして取り出すだけですよ)
おばさん(申し訳ないけど、ドブの中に手を入れてカギとってもらえるかなー)
訴える目線に、僕が取らないわけにいきません。
僕が動き出した時点で、おばさんのカギを手渡すことが使命なのです。
かといって、地べたにはいつくばるのもツライ。
近くに棒切れか何かないか探しました。
するとありました。
棒切れ。
ちょうどいいサイズの棒切れは、カギのキーホルダーのリングに引っ掛かり、
ついにカギをおばさんに手渡すことが出来ました。
困った顔のおばさんが笑顔に。
よかったですね。おばさん。
がんばってやってよかった。
コメント
コメント一覧 (5件)
すごいですね、優しい心に感動しました。出てきて良かったですね。いい話ありがとう。
ヒックル(^_^)vさん
蓋が開いて、本当によかったです。
楽天日記始まって以来の長編ですね。
カギを見つけた時の苦労と思いが伝わる日記でした。
則武の人さん
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
おばちゃんの なんとかして という思い伝わりましたかね。
大変でしたね~でも温かい気持ちに
なれるお話どうもありがとうございます!
おばさん、モゥモゥさんのお陰で
助かりましたね。